
ジュエリーには物語がある。
知らなくても、美しい。
でも
知ってみるともっと好きになる。
2005年
福岡のアトリエでひとつのリングが生まれた。
丸を、ただ連ねただけのリング。
装飾はない。
宝石もない。
丸が、ぐるりとひと回り。
丸の大きさ違いで4パターン。
その当時にしてはちょっとそっけないくらいのシンプルなデザイン。
「maru」は、古くから縁起のいい形とされてきた。
終わりがなく、始まりもない。
ただ、続いていく。
平和の象徴。
希望の象徴。
永遠の象徴。
言葉にすると、少し大げさかもしれない。
でも指に通したとき、言葉より先に、何かが伝わってくる。
表面をマットに仕上げたK18ゴールドは、やわらかく光を吸収する。
派手じゃない。
でも、確かにそこにいる。
このリングの丸は、手で作っている。
よく見ると、少し歪んでいる。
完璧な丸じゃない。
でもそれが、自然なことだと思う。
完璧なんて、どこにも存在しないのだから。
歪みのない美しさより、
不完全な美が私は好き。
飽きることなく長く愛せる。
丸が連なる様子は、永遠を思わせる。
でも、永遠って、同じものの連続じゃないはず。
ひとつひとつの丸は、似ているようで、少しずつ違う。
昨日の自分と今日の自分が、どこかちょっと違うように。
変化しているこの一瞬が、静かに繋がっている。
いつかは変わる。
実は
もう変わっていっている。
その永遠に続くかと思われる愛しい一瞬が、
このリングの中にそっと込められている。
丸だけで作られたこのリングは、
見ても触れても、やわらかい。
角がなくて、主張しすぎなくて。
どこまでもまろやかなその形。
自然と、優しい気持ちになる。

ひとつ、小さな秘密をお話しすると。
表面はマットに仕上げているけれど、
指に触れる内側と側面は、ヘラで丁寧に磨いている。
ヘラは昔ながらの道具で、
職人が手で押し当てながら、じっくりと光を引き出していく。
内側を磨くのは、着け心地のため。
毎日触れる場所だから、とにかくなめらかに。
側面の煌めきは、表のマットと対比している。
自分だけが気づく、静かな喜び。
指が動くたびに、ひかえめな光がゆれる。
マット加工は
毎日着けていると、少しずつ変化していく。
肌に触れた場所から、ゆっくりと艶が生まれてくる。
身につけた人だけが育てられる表情。
美しい経年変化。
とても個人的な美の姿。
2005年から、このリングは変わっていない。
デザインも、作り方も。
変える必要がなかったから。
流行に乗せるより、
いつも日常に寄り添えるリングにしたかったから。
一度、店頭で手に取ってみてほしい。
指に通すと、不思議と存在感がある。
側面の光を、確かめて
内側のなめらかさを、感じてみて。
作り続けてわかるのは
「丸」という普遍的で穏やかな美しさは
やはり永遠だということ。
サイズオーダー承ります。
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