旅と、ジュエリー。|01 西表島 ― 縁と、まる

藁の素材を編む二つの手。指にgoldのリングが光る。西表島の暮らしと手仕事。

 

旅は、知らない「なにか」と出会うこと。

景色でも、味でも、人でも。
言葉にはならない、なにか。

その出会いが、
知らない場所を、いつもの帰る場所に変えていく。

西表島。

はじめて行ったときは、未知の場所だった。
世界遺産に登録された、遠い南の島。
イリオモテヤマネコが生息するところ。

それが、
好きな人たちが暮らす、大切な場所に変わっていった。

今ではみんなが「おかえり!」と言ってくれる。


この島に来るたびに、緑の色が、こんなにあるのかと驚く。

若い緑。
深い緑。
光をふくんだ緑。

ひとつとして、同じじゃない。

 

大きな葉が重なり合う緑のトンネルの小道。光をふくんで輝く、西表島の森の空気。

 

朝はとても賑やか。
まだ暗いうちから、いろんな鳥の声が聞こえる。

その中でひときわ美しい、アカショウビン。
夏を告げるあの声が、今年も出迎えてくれた。

工事の音も、クラクションもない。
自然の音だけで、満ちている。

深く、深く、深呼吸。
五感がひらいていく。

 

白い月桃の花に、そっと触れる手。goldのリングが幾重にも重なる。


Villa Hirugiのオーナー、よしこさん。

島の植物を材料に、生活の道具を作っている人。
出会って間もない頃、
彼女がひとつ、リングを選んでくれた。

marumaru ringだった。

島での暮らしに、装飾品は必需品じゃない。
今までも、ほとんどつけてこなかった。
結婚指輪もいらなかった、と。

正直、興味もなかったらしい。

「なのに、これはつけたい、って思ったんだよね。」

 

青空と緑の中に立つよしこさん。左手のmarumaru ringが、島の光の中に静かに輝く。

 

ちょっと不思議そうに話してくれた、
あの日の表情を、今でもよく覚えている。

あれから何年か経って、
リングはすっかり、よしこさんの一部になっている。

彼女の手の動き。
島の空気。
毎日の暮らし。

そのぜんぶが、リングにゆっくり染み込んでいく。

彼女にしか出せない、まろやかな経年変化。

 

藁を編むよしこさんの手。指に光るmarumaru ring。島の素材と毎日の暮らし。


よしこさんとの出会いが、ご縁のはじまりだった。

今ではこの島で、定期的にポップアップを開いている。
ワークショップも開催して。
Villa Hirugiに併設のsanta nu neeneでも、 作品を扱ってくれている。

島で暮らす人の手に、Perché?の作品が渡る。
旅で訪れた人の手にも、渡っていく。

 

Villa Hirugiでのポップアップ。ジュエリートレイの上で、誰かの手が一点を選んでいる。

 

そしてその人たちが、別の土地のポップアップに来てくれる。

「西表島で見ました。」

そう言って、また新しいご縁が生まれていく。

丸は、終わりがなく、始まりもない。
ただ、続いていく。

縁も、きっと同じ。

人から人へ、土地から土地へ。
巡っていく、ひとつの「まる」。


島から帰ってきても、旅は終わらない。

大浜農園の黒紫米を、いつものお米に混ぜて炊く。
炊き上がると、きれいな紫色になる。

ひと口食べるたびに、西表島を思う。
お米を作っている人たちを思う。

ジュエリーも、きっと同じ。

身につけてくれた人のもとで、
その人の生活の一部になっていく。

よしこさんの指のmarumaruは、
今日も島の風を受けているだろう。

ひとつのリングが、人と人を繋いでいく。

縁は、巡っていく。


Perché?

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Perché?storia
福岡市中央区薬院1-16-17 イビサビル3F
@perche_storia
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marumaru ring(マルマルリング)
  

旅と、ジュエリー。|序章(Journal #3)
  

 

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